
1. 災害救助のあらまし
(1)目的と考え方 災害救助法による救助は、災害発生直後の混乱期における食料品その他生活必需品の欠乏、住宅の喪失、疾病等に悩む被災者の保護と社会秩序の保全を図ることを目的とした『応急救助』であり、経済的な理由による生活困窮者に対する『生活保護』や災害が一応終わった後の『災害復旧対策』とは、その性格を異にするものである。 〈2)救助の実施体制 個人の基本的生活権の保護と全体的社会秩序の保護とが救助の二大目的であるから本法による救助は、地方公共団体(県及び市町)、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力のもとに国の責任において行うべきものとされる。 その実施については、都道府県知事に全面委任されている。(法第2条) なお、知事は救助を迅速に行うためその権限の一部を市町長に委任できることになっている(法第30条)。兵庫県においても原則として全ての権限を委任している。 (昭和47年7月30日兵庫県規則第68号) 2. 救助の実施 (1)救助の程度、方法等 収容施設の供与(避難所、応急仮設住宅)や炊きだしの実施等救助の程度、方法及び期間について、知事が応急救助に必要な範囲で、予め厚生大臣の承認を受け、災害救助法施行規則で定めている(一般基準)。 そのため、委任された救助については、規則で定められた範囲内で実施することが原則とされる。 しかし、一般基準によりがたい特別の事情があるときは、その都度厚生大臣に協議し、特別基準を設定することができる(特別基準)。 (2)災害救助法による救助 ?避難所の設置 (ア)避難所とは 災害のため、現に被害を受け、又は被害を受けるおそれのある者で、避難しなければならない者を、一時学校、公会堂、公民館等既存の建物又は屋外に設置した仮設物等に収容し、保護することを目的とするもの。
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